ホテル内のレストランという
挑戦に選んだ「和の器」
シンクロニア ディ シンジハラダ
原田 慎次
原田 慎次
京都市内の中心地・烏丸御池に
今年4月開業したラグジュアリーホテルの
メインダイニングとして、
華やかにオープンする原田慎次シェフのレストラン。
原田シェフがイタリア料理を
和の器に盛り付けたいと考えた理由。
そして「たち吉」が提案の器を料理と共にご紹介する。
今年4月開業したラグジュアリーホテルの
メインダイニングとして、
華やかにオープンする原田慎次シェフのレストラン。
原田シェフがイタリア料理を
和の器に盛り付けたいと考えた理由。
そして「たち吉」が提案の器を料理と共にご紹介する。
若手だけれど個性をもった
日本作家の器で
遊んでみたい
東京・銀座のイタリアン「アロマフレスカ銀座」のオーナーシェフである原田慎次シェフ。
15年連続で「ミシュランガイド東京」の星を維持するなど、揺るぎない評価を築いている今、関西初出店という新しい挑戦を選んだ。「京都という世界から注目される特別な場所にご縁をいただいたのはうれしかったです」と原田シェフ。
新店舗はホテルレストラン。40席、しかも3食の提供というハードルの高い条件だが、余裕の笑顔。「〝朝パスタは冒険しすぎたかも(笑)。
でも僕が朝食を提供するとなったら、やっぱりパスタが食べたいでしょう?」
絶対人気のパスタを筆頭に、ダイニングで使われる器に選ばれたのが鈴木智尋さんなど日本人作家の器というのが興味深い。ところが原田シェフは、もともと和の器が好きで、自宅ではイタリアンを和食器で食べているそう。
「それまで銀座の店では海外ブランドの陶磁器を使っていたのですが、最近コース の中に鈴木さんの『ガラス釉シリーズ』ほか和食器が多めに。僕も50歳を過ぎて、肩の力が抜けたというか(笑)。
店も家の延長でもいいかなと思い始めたんです」
和の器には「食材の温かみが、皿からも伝わる気がする」と原田シェフ。「大きな鉢物にパスタを盛りますし、向付の小鉢にアミューズ、それからひと口スープもいけますよ。素材を活かした僕の料理とシンプルな和の器は相性がいい」と語る。
また、器選びの基準の一つに「個性あふれる若手作家」もあったと打ち明けてくれた。「ほかの店とお皿はかぶりたくない。若手だと融通が利きそうだし価格も控えめ。そこは買う前にしっかりチェックしました」。さすがベテランシェフ、器選びの勘所を得ていた。
SHINJI HARADA
原田 慎次
- 1969年
- 栃木県生まれ。
服部栄養専門学校在学中よりアルバイトをしていた六本木「ヂーノ」に入店し、修行をスタート。 - 1994年
- 青山の系列店「ジリオーラ」シェフに。
- 1998年
- 独立し、田沢浩氏と共に「アロマフレスカ」をオープン。
- 2010年
- 銀座へ移転し、2022年4月には京都に開業した「ザロイヤルパークホテル アイコニック京都」のメインダイニングとして「シンクロニア ディ シンジハラダ」がオープン。
Sincronia di Shinji Harada
京都府京都市中京区東洞院通御池上ル船屋町420
「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 京都」内1F
「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 京都」内1F
- TEL
- 営業時間
- 7:00~10:30(L.O.10:00)11:30~15:00(L.O.14:00)17:30~22:00(L.O.21:00)
土物で温かみがあり、
使い込むほどに味わい深さが増す作品
鈴木智尋
京都市在住。1975年香川県生まれ。1997年都「タブラ・ラサ展四条ギャラリー」で初グループ展。
1998年「朝日陶芸展」入選。1999年嵯峨美術短期大学専攻科三次元表現コース卒業。村田森氏に師事する。
2001年独立、京都嵯峨にて「鈴華窯」開窯。以降、
関西・東京で個展を多数開催。
1998年「朝日陶芸展」入選。1999年嵯峨美術短期大学専攻科三次元表現コース卒業。村田森氏に師事する。
2001年独立、京都嵯峨にて「鈴華窯」開窯。以降、
関西・東京で個展を多数開催。
風化した美を表現「銀刻彩」が代表作
山内 駿
京都市在住。1984年京都府に生まれ、宮城県で育つ。京都伝統工芸専門学校陶芸専攻卒業。
猪飼祐一氏に師事した後、独立。
博物館で見た仏像や古陶磁の経年変化による風合いに感動した経験より、独自の作風を追求。
黒釉を掛けた陶器に銀彩を施した後、表面を機械で削る「銀刻彩」に到達した。削る工程はフリーハンドのため、同じ景色がない。使い手にとっては一点物を集める楽しみがある。
猪飼祐一氏に師事した後、独立。
博物館で見た仏像や古陶磁の経年変化による風合いに感動した経験より、独自の作風を追求。
黒釉を掛けた陶器に銀彩を施した後、表面を機械で削る「銀刻彩」に到達した。削る工程はフリーハンドのため、同じ景色がない。使い手にとっては一点物を集める楽しみがある。